1980年代までの主流の外壁『モルタル』に比べ、予め出来上がったボードを張り付けていくため、工期も短く仕上がりもきれいでデザインもたくさんありますので、現在の外壁の主流になっています。そのサイディングも素材によっていくつかの種類に分かれています。
サイディングの種類を簡単にご紹介します。
1)サイディングの種類
① 窯業(ようぎょう)系サイディング
サイディングの中で最も主流なサイディング です。 衝撃や火に強いことやレンガ調タイル調などデザインの幅も広く、新築の約7割の外壁で使われているほど人気の外壁です。
② 金属系サイディング
鋼板と裏打ち材を原料に持つサイディングで、断熱 性が高く軽量なのが特徴です。原料が金属なので長期間メンテナンスしなくてもいい外壁です。
③ 樹脂系サイディング
塩化ビニールを主原料としたものです。劣化や色落ちがしにくいのが特徴です。日本ではあまり使われていません。
④ 木質系サイディング
本物の木材を使用したサイディングです。木の温もりや年月が経つごとに変化していく彩りなど、木材ならではの味わい深い質感が感じられます。他のサイディングと比べ高価なことと、防火性も劣るためあまり使われていません。
2)サイディングの再塗装のチェックポイント
主に使われている窯業系サイディングのケースでご案内します。再塗装が必要になっているのかどうか、ぜひご自身でチェックしてみてください。
① チョーキング状態をチェック
新築から(または再塗装から)10年前後経ちますと、太陽光や風雨の影響で塗膜の劣化が起こっています。指で外壁を触ってみて指に白い粉がついたら要注意です。すぐに対処が必要ではないと思われますが、塗装の専門家に調査していただきましょう。
② シーリング(コーキング)の状態をチェック
サイディングとサイディングの隙間を埋めているのがシーリング(コーキング)です。
主に気密性や防水性を高めるために使われています。サイディングとサイディングのクッションの役目もしています。
シーリングも塗料と同じように、または少し早く劣化していきます。5年~10年でひび割れや剥がれが発生することが多いようです。特に太陽光が当たる面は劣化が早くなります。劣化したシーリングは雨漏りの原因になります。
③ 塗膜のひび割れ、剥がれはないか
チョーキングよりさらに劣化が進んでいる箇所には、塗膜のひび割れ、剥がれが発生します。この状態では補修が必要です。
④ カビ、藻、コケ
カビや藻、コケは根を張って塗膜の接着部分に侵入していきます。塗装の大敵です。早めの対処が必要です。
⑤ 色あせ
太陽光が長時間あたる部分は、色あせがしてきます。気になるほど色あせしていたら再塗装をご検討ください。
3)サイディングの塗装 塗料の色は?
窯業系サイディングはデザイン性に優れていますので、塗装前の配色をそのまま残したいと思われる方もいらっしゃると思いますが、そのまま残すことは難しい場合があります。
そのままのイメージを残したい場合は、クリア塗料(透明な塗料)を使って塗装することができます。ただ、前記のチェックポイントでご案内した通り、外壁の再塗装は基本的に劣化が始まってから検討が始まります。ということは、色あせがあったり苔が発生していたり
剥がれがあったりと外壁の状況が良くない場合があるということです。その場合は、耐久性を優先し て今までと違った色で塗装することをお勧めしています。濃淡を変えてみたり、まったく別の色にして外観のイメージを変えてみたり、人気のツートンカラーにしてみたり。塗装シミュレーションが出来るところが多くなっていますので、シミュレーションで検討してみてください。2022年はグレー系も人気でした。
4)サイディングの塗料と塗装
サイディングの塗装で、クリア塗料を使っての塗装は下塗りをせず中塗り、上塗りの2回塗りになります。クリア塗料は2回の塗布でも、接着効果が高く耐用年数も3回塗りと変わらない効果がありますが、その分高価になります。もちろん外壁の状態によります。
外壁の状態が多少の補修が必要な場合は、違う色を塗布することを「3)」でお勧めしました。
その場合は、下塗りには補修効果のあるサフェーサー(シーラーとフィラーの間の効果を持つ塗料。サイディングにフィラーは基本的に塗布できません。)を使って細かいひび割れなどの補修をして、中塗りと上塗りと行い3回塗りになります。
膨れ、剥がれがある場合は補修の後、シーラーまたは、サフェーサーと中塗り、上塗りを 行います。
※塗料については、別のページでご案内しますのでそちらをご覧ください。サイディングの塗装についてポイントだけご案内いたしました。最後までご覧いただきありがとうございました。