最近大きな地震がありました。ニュースでは家の倒壊した映像も流れ、大地震の怖さを『わが身、我が家』に置き換えて考えさせられたという方もたくさんいたことと思われます。現在お住まいの家が瓦屋根の方は、一度軽量化をご検討されるのはいかがでしょうか。今回は屋根材の種類・メリット・デメリットについてご案内いたします。
1)屋根材種類
現在の屋根材は大きく分けて4種類。昭和の時代には瓦屋根が主流でしたが、他に化粧スレート、トタン、ガリバリウム鋼板などがあります。ひとつずつご案内致します。
①瓦屋根
日本の屋根と言えば古くから瓦屋根が愛されてきました。今でも戸建て全体では、主流を占めています。しかし、最近の戸建ての新築ではスレート系のものが多くなってきました。
瓦屋根のメリットは、なんといっても50年以上といわれる耐久性、そして和瓦だけでなく洋瓦もありデザイン性に富んでいます。塗装も必要ないためメンテナンス費も安く済みます。
デメリットは、他の素材に比べ重量があることです。地震の際には大きく揺れてしまいします。瓦自体の耐久性は高いのですが、強風によるズレや漆喰(しっくい)のダメージにはメンテナンスが必要です。 ※漆喰(しっくい)は屋根の棟(むね)と瓦の間の隙間を埋め保護し雨水の侵入を防ぐために塗られます。
②化粧スレート
安くて、軽くて施工し易いため、現在の新築では最も普及している屋根材です。
デメリットは、コケやカビが発生したり、他の屋根材より強風や飛来物に弱く割れやすいので、約10年毎に点検や塗装するなどメンテナンスが必要になります。
2004年以前の化粧スレートにはアスベストが含まれていて、健康被害を引き起こすと問題になりましたが、現在の製品には含まれていません。
③トタン
屋根の継ぎ目が少ないため雨漏りがしにくい。また、コストが安く施工し易いのがメリットです。経年劣化でメッキが剥がれると、錆が出てきてしまうため10年毎にメンテナンスが必要です。断熱性が低く暑さ寒さの対策が必要です。遮音性も低く、雨音なども気になることがあります。最近ではあまり用いられません。
③ガリバリウム鋼板
アルミニウム、亜鉛、シリコンによる合金です。20年以上の高い耐久性があり、軽量でデザイン性も高い素材です。
軽量で薄いため、台風などによる飛来物の衝撃には傷つきやすいことがあります。
近年では石を吹き付けた新素材で耐久性、デザイン性をさらに強化し、塗装などのメンテナンスを極力抑えたものも増えてきました。
2)軽量化のおすすめ
近年では、耐震対策による屋根材の軽量化がすすめられ新築では瓦より軽量なストレート材やガルバリウム鋼板が多く使われています。現在瓦屋根でメンテナンスの時期が来ていたり、地震の揺れが気になる方は軽量の屋根に葺き替えをご検討ください。屋根にかかる重量は、瓦屋根とストレート材では約半分になり、瓦屋根をガルバリウム鋼板に葺き替えをした場合は、約1/8~1/10になります。
葺き替えは瓦を他の屋根材に替えるだけでなく、屋根の下地自体のメンテナンスも出来ますので、建物自体の耐久性が向上します。また、印象の大きい屋根を変えることで、建物全体の印象も大きく変わります。
3)瓦屋根の葺き替えの時期
屋根全体は専門家でなければ確認できませんが、自分で出来る簡単なチェック方法があります。
①漆喰のダメージ
2階の窓から1回の棟と瓦の間にある漆喰を覗いてみましょう。割れ、剥がれはありませんか?もし、写真のように破損している部分が見えるようなら、屋根の劣化が進んでいます。そのままにしておきますと、雨漏りの原因にもなります。このような場合、葺き替えの時期に来ています。
②棟や瓦のヒビ・ワレ
やはり2階の窓から見える部分で、瓦にヒビやワレはありませんか?ヒビやワレがあると雨水の侵入が防ぎきれません。少ししみいるだけでも雨漏りは屋根構造に悪影響を与えます。ヒビやワレのある箇所が一部であったとしても屋根全体の劣化が進んでいる場合があります。
③近所から(少し家から離れて)屋根を見てみる。
瓦は他の素材と比べ長持ちでメンテナンスの手間も少ない屋根材ですが、飛来物で割れていたり、一部(数枚)剥がれていたりすることがあります。
ご自身でチェックして、ご心配な箇所があれば信用できる専門業者に調査を依頼してください。瓦屋根がお気に入りの場合は、もちろん瓦を利用されてメンテナンスをしてください。建築物の外観などもポイントになると思われます。 なんでもかんでも耐震化をお勧めするわけではありませんが、そのようなご希望がない場合は、耐震もご検討いただいたらいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。