サイディングやALCパネルの外壁には、板と板を繋ぐ境目に継ぎ目があります。この継ぎ目は『目地』と呼ばれ、ゴム状のコーキング材(シーリング材、シールとも呼びます)で埋められています。これは、目地から雨水が侵入しないようにしていることと板と板の暖衝材としても機能しています。
劣化の状況
外壁の塗装の劣化と同じく、このコーキング材も10年もたてば劣化します。晴れている日に目地をチェックして見てください。直射日光にさらされている部分の方が、劣化している率は高くなります。
ひび割れている箇所がある場合、雨水が侵入している可能性があります。雨水の侵入はコーキング材の劣化を早めますし、建物全体も劣化させてしまいます。一度専門業者にご相談されることをお勧めします。
1)コーキング剤の剥離
コーキング材が剝がれている場合は、ひび割れよりさらに悪化して赤信号です。信頼できる業者と至急補修をご検討ください。
たまに剥がれを通り過ぎて、コーキング自体が抜け落ちてしまっている場合があります。外壁材と外壁材の間に隙間が出来てしまっているような場合です。この場合は至急補修をしてください。検討の時期はすでに過ぎています。
補修の方法
コーキングの補修には、旧コーキングを剥がして新しくコーキング剤を施工していく『打ち替え』と旧コーキングの上に新しいコーキング剤を補填していく『増し打ち』があります。『増し打ち』は費用が安く済みますが、劣化が軽度の場合に限るなど条件がありますので、ほとんどの場合、確実に補修できる『打ち替え』をお勧めすることになります。
コーキング剤の種類
外壁のコーキング剤に使用するのは次のコーキング剤です。ウレタン系のコーキング剤は耐久性が高く、弾力性もあるため外壁の施工に向いています。しかし、紫外線に弱いため打って終わりには出来ず、コーキングをした上から必ず塗装をしなくては(塗料で保護する)なりません。
シリコン系は価格が安価で、紫外線、雨水に強く、耐久性も優れていることから、最も使用されているコーキング剤です。しかし、施工後塗装をしようとしても、塗料を弾いてしまう素材のため剥がれてしまいます。目地も併せて塗装したい場合には専用のプライマーを使用すれば塗装が可能な場合がありますが、塗装を考える場合は、別のコーキング剤を選ぶのが無難です。
変性シリコン系は硬化時間が早いコーキング剤で、施工後の塗装にも強く、塗装しなくても赤外線に強いというメリットがあります。しかし、シリコン系より耐久性がウレタン系より密着性に劣ります。また、比較的材料費が高くなります。
定期的なメンテナンスで、外壁材のサイディングは30年以上、ALCは60年以上の耐用年数があると言われています。そのためには、コーキングや塗膜の状態を定期的に(10年毎には)チェックをして、必要な補修を行うことが必要です。前述しましたが、晴れた日にセルフチェックしてみてはいかがでしょうか?